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診療目の病気

(1)子供の視力に関する問題



仮性近視(調節けいれん)

 マンガを読んだり、TVゲームをしたりしていると近くを見た状態で目が緊張状態に入ってしまうことがあります。そうすると遠くを見ても近くを見た状態に目のピントが固定してしまっているために見づらいことになります。これは目の緊張を解いてやる目薬をさすことによって非常によく治ります。数カ月間点眼して効果がない場合は次の本格的な近視の可能性が高くなります。

軸性近視(おとなの近視)

 体の成長に伴って眼球が後方に向かって大きくなることが原因でおこる近視です。一度大きくなった眼球を小さくすることはできないのでこの近視は残念ながら治りません。遺伝的要素がかなり関与します。眼鏡かコンタクトレンズによる矯正が必要です。

子供の遠視

 眼球の発達が未熟で眼球が小さい状態で見られます。ピントが網膜の後方になるため、遠くも近くも見えにくい状態です。近視は近くが見えますが、遠視が遠くが見えるかというとそうではありません。したがって視力が発達しない弱視の状態になる危険性があり、治療的な観点から早期にメガネが必要になります。

斜視

 目の位置のずれがあり、両目を同時に使う能力がないか、極めて低く、物を立体的に見る力が弱くなっています。両目で見る能力を獲得するためにはなるべく早期に訓練をするか、手術をしなければなりません。

弱視

 眼球や視神経に異常がないのに視力が不良な状態を言います。斜視、遠視、強い乱視などが原因になります。6才くらいまでに発見して治療する必要があります。9才を過ぎると治療しても効果が上がらないことが多くなります。


(2)目の前に蚊が飛ぶような症状が出たら?



飛蚊症

 白い壁や、青空を見たりしたとき、目の前に黒い点、髪の毛、丸い輪などが見えるものです。眼球中央部にある硝子体にできた小さな濁りが見えるもので、年齢によって硝子体が萎縮しておこることが1番多い様です。しかし網膜剥離や硝子体出血、あるいは眼球内部の炎症に伴っておこることがあり安易な自己判断は禁物です。この症状が出現した場合は必ず眼科を受診してください。

網膜剥離

網膜剥離 網膜剥離
 眼底の物を見る網膜という膜に小さな穴(裂孔)が開くことによって始まります。その穴を通して眼球の中の水が網膜の裏側に流れ込むことによって網膜がはがれて最終的には失明に至ります。網膜に穴が開いた段階ですぐにその回りをレーザーで固める治療(光凝固)を行えば、網膜剥離の発症を防ぐことができます。広い範囲に剥離がおこった場合は入院して手術を行わなければなりません。網膜の裏側に回った水を抜いて(ジアテルミ—凝固)、裂孔ををふさぎ(冷凍凝固)、眼球にシリコンの“はちまき”を巻く手術(強膜輪状締結術)が必要になります。


(3)眼底疾患



糖尿病網膜症

糖尿病網膜症 糖尿病網膜症
 糖尿病の合併症で眼底出血がくるものです。ある程度まで進行した場合には眼底をレーザーで焼く必要があります。さらに重症化した場合には眼底内部の硝子体手術が必要になります。
日本の失明原因の第1位です。糖尿病のある方は定期的な眼底検査が必要ですので眼科を受診してください。

網膜静脈分岐閉塞症

網膜静脈分岐閉塞症 FAQ
 動脈と静脈が交差する場所で動脈硬化のために静脈が圧迫されて静脈の圧が上がって出血するものです。眼底出血の中では代表的なものです。レーザー光凝固術を行うか、薬物で治療します。眼底の中心に出血が及んだものは視力予後不良です。

網膜中心静脈閉塞症

網膜中心静脈閉塞症 FAQ
 視神経の内部で静脈性の血栓が出来て眼底全体に大きな出血が生じたものです。眼底出血の中では1番の重症です。レーザー治療を行わないと難治性の緑内障が発症し失明に至ります。急激な視力低下が起こりますのでただちに眼科を受診してください。

中心性漿液性網脈絡膜症

中心性漿液性網脈絡膜症 中心性漿液性網脈絡膜症
 40才台の男性の片目の中心部に浮腫を生じる疾患で、ストレスが原因で起こると考えられています。2〜3ヶ月で自然治癒することが多いのですが、浮腫が引かない場合は、蛍光眼底造影で水が漏れている場所を突き止めてレーザーでその場所を焼く治療を行います。

加齢性円盤状黄斑変性

加齢性円盤状黄斑変性 加齢性円盤状黄斑変性
 最近増加しつつある疾患で欧米では失明原因の第1位になっているようです。老化現象で網膜下に新生血管というもろい血管が延びてきてそこから出血するものです。治療可能なものは新生血管をレーザーで光凝固するか手術的に摘出します。


(4)白目の病気〜充血・かゆみ・目やにが見られたら?



アレルギー性結膜炎

 花粉、ダニ、真菌(カビ)などによって起こります。原因が明らかなものはそれを取り除き、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ステロイド剤の点眼を行います。

流行性角結膜炎

 『はやり目』と呼ばれるもので、アデノウィルス8型による結膜感染症です。約1週間の潜伏期間を経て発症して耳前リンパ節の腫れと圧痛がみられ角膜表層の小さな濁りのためにまぶしさを強く感じることがあります。患者の手指、タオルなどからの接触感染で空気感染はしません。
児童、生徒は治るまで学校を休まなくてはなりません。


虹彩炎
虹彩炎

 眼球内部の黒目(虹彩)に炎症が起こるもので、眼痛、角膜周囲の充血、視力の低下などが起こります。サルコイドーシス、リウマチ、ウイルス感染症、糖尿病など様々な原因で起こります。治療には副腎皮質ステロイドの点眼などを使用します。


(5)黒目の病気



円錐角膜

 遺伝性の疾患で角膜表面が突出してくるために、強い乱視を生じるものです。ハードコンタクトレンズの適用になります。角膜に浮腫を生じ、コンタクトレンズでも視力の矯正ができなくなると角膜移植術が必要です。


角膜水泡症

 何らかの原因で角膜裏面の角膜内皮細胞に障害が生じたために角膜内に水がたまってくる病気です。高濃度の食塩水の点眼などを行いますが、多くの場合最終的に角膜移植術を必要とします。


角膜ヘルペス

 ヘルペスウイルスによって角膜に樹枝状の潰瘍ができる病気です。角膜内層の実質炎の形をとることもあります。過労、風邪など体調不良時に発症することが多く、重傷化することがあります。


角膜フリクテン

 細菌に対するアレルギー反応によって角膜に小さな白濁を生じる疾患です。結膜充血も高度で眼痛、異物感を自覚します。抗生物質、副腎皮質ステロイド剤の点眼を行います。




(6)瞼の病気



麦粒腫

 いわゆる"ものもらい"です。眼瞼縁の皮膚の発赤を伴った限局性の腫脹で痛みを感じます。眼瞼にある脂腺に細菌感染が起こったものです。腫れの中心が白く変化(膿点)した場合は排膿させるために切開を行うことがあります。


霰粒腫

 瞼の中にできた無痛性の固まりで、マイボーム腺の無菌性の肉芽性炎症です。大きなものでは切開して摘出します。


睫毛内反

 いわゆる"さかさまつげ"です。角膜に傷がつくなど程度が強く、治癒の見込みのないものについては手術が必要です。


眼瞼ヘルペス

 眼瞼に発赤を伴う多発性の水泡を生じるもので単純ヘルペスウィルスによる感染症です。


眼部帯状ヘルペス

 額部から眼瞼にかけて発赤、水泡、ついで嚢包となり、痴皮を形成します。水痘・帯状ヘルペスウィルスによる感染症で、免疫力の低下した50才以上の人に多く見られます。



(7)水晶体の病気



白内障

 カメラのレンズに相当する水晶体が濁ってくる病気で、視力低下が見られます。



(8)視野の異常を伴う病気



緑内障

 眼圧上昇により視神経が障害されて視野が狭くなる病気です。急性型と慢性型があり、重症になると失明することがあります。ある程度進行しないと自覚症状が出ないことが多く、初期症状では眼精疲労のこともあります。眼科での定期的な診察が必要です。

脳腫瘍

 視野異常、視力低下など眼科で発見されることがあります。

視神経炎・球後視神経炎

 視神経に炎症が生じたもので、視力障害と視野障害が特徴です。様々な病因によって起こりますので、その原因の把握が大切です。


(9)涙の病気



鼻涙管閉塞症

 涙の排出路である鼻涙管が閉塞したもので、流涙、眼脂(メヤニ)が見られます。
細い金属製の棒を鼻腔まで通して開通させますが、通らない場合、涙を貯める涙嚢に感染症をおこすような恐れのあるときには涙嚢と鼻腔を手術的につなぐ必要があります。


ドライアイ

涙液の基礎分泌量が減少することにより乾燥感、異物感を訴えるものです。原因ははっきりしませんが近年増加傾向にあるようです。人工涙液の点眼で不足分を補う治療を行います。



群馬県前橋市天川町75-2(生涯学習センター東)羽鳥眼科